妄言

「オリジナリティーは出すものではなく出るもの」という文言がありますが、それをこの間肌身で理解する事がありました。

私はかねてより気になったイベントに向けてBMSを製作するようになったのですが、この間A-1 ClimaX 10th というイベントが終わった後でこのようなツイートをしました。

今回のイベントで私のBMS作りはこの方向性で突き詰めるべきなのだという確信が芽生えた

— Ry0um4🐉🐎/円湯🔴♨【A-1 ClimaX 10th乙でした】 (@Ry0um4) July 5, 2020

 このツイートをしたときは直感でものを言ったので詳しくは語れませんでしたが、後になって自分なりに解釈をしてみようと思いました。

　私のBMS作品は現在合作参加のものも含めて4作品あります。その中で評価が共通している部分があります。それはまとめてみるとクオリティの低さ、技術力のなさ、作り込みの浅さ、情報量のなさ、作品としての不備などです。それらが俺のオリジナリティーや！と言いたいわけではありません。言いたくないし。

しかし、そんな何もかも足りてないみたいな作品であっても褒めていただける部分がありました。そういう事がわかったのです。

なんでしょう………自分の作る作品には魅力があるということを自覚できたというか、自信を持って魅力は備えているとわかったという事なんでしょう。

それが方向性という言葉で上記のツイートで言い表されているんだと思います。

　そしてもっと言えば、その魅力が現れることと、その現れるまでの道のりが繋がって見えるようになった気がする、という感覚のことを言い表してもいます。

　それは、「"普通に"作っていけばいい」「作品としてしっかりしているのに組み合わせが異常のものとして出来上がる」と言った感じです。

　これは自分の技術力がなすワザではないのです。作品を作るだけでなんらかの魅力があり、そして誰かに刺さる作品になるのです。それがいい方向でも悪い方向でもありえるのです。

　苦しいのは、技術力がないと感受性の高い目ざとい人たちにしか(あるいはそういう人に対してさえも)その魅力が伝わらないということなのです。作品を作ることで備わる魅力を、つまり作品を作っている最中に自覚することのできないものを、より伝わりやすくするために技術が必要なのです。なんて報われにくい話なんでしょうね。どの技術が魅力を伝えることに寄与するかわからないなんて。当然技術を会得すればするほど「この作品のために会得したが無駄な技術」に分類されるものが増えるのです。きっと世の技術ってそういうものなのです。

　ひとつだけこの魅力の要因となっているものがあるとするなら、作っている最中に「なんかこれ違うなあ、つまんないなあ」と感じたときにそれに抗っていることなのではないかと思います。でもこれだって自分の好きなものを見つけるようなインプットの経験があれば(そういうインプットは誰だってできるはずなんです)違和感を感じることはできるようになるはずですし、違和感に敏感になるのだってものつくりをする経験を積んでいけばそのうち分かるようになることです。「観察眼の解像度を高める」という言い方をされる方が多いですが、それはこの違和感を具体的な部分へと照らし合わせた形で言語化しているのだと思います。そう考えたとき、今まで私が感じて抗ってきたことは大局的な見方である、とあえて表現とできるのかもしれません。